专利摘要:
本発明は、MMP−2及び/又はMMP−9に起因する疾患の治療に有用な、安全性の高い薬剤を提供することを課題とする。本発明のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤は、一般式[式中、R1は、フェニル環上に置換基として低級アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基を示す。R2は、ピリジン環上に置換基としてカルボキシル基をl〜3個有することのあるピリジル基を示す。]で表されるチアゾール誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有する。なし
公开号:JP2011513203A
申请号:JP2010536255
申请日:2009-03-13
公开日:2011-04-28
发明作者:康 大野;孝則 殊才;信也 湊口;洋一 藪内;尚 長本
申请人:大塚製薬株式会社;
IPC主号:A61K31-4439
专利说明:

[0001] 本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ(以下「MMP」と略記する)−2及び/又はMMP−9阻害剤に関する。]
背景技術

[0002] マトリックスメタロプロテアーゼは、活性部位に亜鉛(II)イオンを保有する、細胞外マトリックス分解酵素の総称である。細胞外マトリックスの代謝は、MMPと、MMPに特異的な組織由来メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP)とのバランスにより、主に調節されている。]
[0003] MMPとしては、コラゲナーゼ(MMP−1及びMMP−8)、ストロメライシン(MMP−3)、ゼラチナーゼ(MMP−2及びMMP−9)等の、10種類以上の酵素分子種が知られ、これらは多くの種類の細胞によって産生されている。]
[0004] これらMMPのうち、ゼラチナーゼ群(MMP−2及びMMP−9)は、ゼラチン分解活性を有するのみならず、IV型コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン等も分解することが知られている。]
[0005] しかしながら、MMP−2及び/又はMMP−9を阻害し、これらのMMPに起因する疾患の治療に有用で且つ安全性の高い薬剤は、未だ開発されていない。]
[0006] 一方、一般式]
[0007] ]
[0008] [式中、R1は、フェニル環上に置換基として低級アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基を示す。R2は、ピリジン環上に置換基としてカルボキシル基をl〜3個有することのあるピリジル基を示す。]
で表されるチアゾール誘導体又はその塩は、活性酸素(O2−)産生抑制作用、サイトカイン産生抑制作用、接着抑制作用及び慢性閉塞性肺疾患治療作用を有していることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。]
[0009] しかしながら、上記一般式(1)で表されるチアゾール誘導体又はその塩が、上記薬理作用とは全く異なるMMP−2及び/又はMMP−9阻害作用を有していることについては全く知られていない。]
先行技術

[0010] 特開平5−51318号公報
特開平10−152437号公報
特開2003−104890号公報]
発明が解決しようとする課題

[0011] 本発明は、MMP−2及び/又はMMP−9に起因する疾患の治療に有用な、安全性の高い薬剤を提供することを課題とする。]
課題を解決するための手段

[0012] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、特許文献1〜3に記載され、O2−産生抑制作用、サイトカイン産生抑制作用、接着抑制作用及び慢性閉塞性肺疾患治療作用を有するチアゾール誘導体が、これらの薬理作用から当業者が予測し得ないMMP−2及び/又はMMP−9阻害作用を有していることを見い出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。]
[0013] 本発明は、下記項1〜4に係るMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤を提供する。
項1.一般式(1)]
[0014] ]
[0015] [式中、R1は、フェニル環上に置換基として低級アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基を示す。R2は、ピリジン環上に置換基としてカルボキシル基をl〜3個有することのあるピリジル基を示す。]
で表されるチアゾール誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
項2. チアゾール誘導体が、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸又はその塩である項1に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
項3.線維症の治療に用いられる項1又は2に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
項4.肺気腫の治療に用いられる項1又は2に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。]
[0016] 本発明の一般式(l)で表されるチアゾール誘導体は、公知の化合物であり、例えば特開平5−51318号公報に記載されている方法等によって製造することができる。]
[0017] 上記一般式(1)に示される各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。]
[0018] フェニル環上に置換基として低級アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基としては、例えば、フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−ぺンチルオキシフェニル、3−エトキシ−4−メトキシフェニル、4−へキシルオキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3−プロポキシ−4−メトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジペンチルオキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−メトキシ−4−エトキシフェニル基等のフェニル環上に置換基として炭素数l〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基を挙げることができる。]
[0019] ピリジン環上に置換基としてカルボキシル基をl〜3個有することのあるピリジル基としては、例えば、ピリジル、2−カルボキシピリジル、3−カルボキシピリジル、4−カルボキシピリジル、2,3−ジカルボキシルピリジル、3,4−ジカルボキシルピリジル、2,4−ジカルボキシルピリジル、3,5−ジカルボキシルピリジル、3,6−ジカルボキシルピリジル、2,6−ジカルボキシルピリジル、2,4,6−トリカルボキシルピリジル基等を例示できる。]
[0020] 本発明の一般式(1)で表されるチアゾール誘導体のうち塩基性基を有する化合物は、通常の薬理的に許容される酸と容易に塩を形成し得る。斯かる酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸等の有機酸を例示できる。]
[0021] また本発明の一般式(1)で表されるチアゾール誘導体のうち酸性基を有する化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。斯かる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。]
[0022] 本発明のチアゾール誘導体には、光学異性体が包含される。]
[0023] 一般式(1)の化合物は通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。]
[0024] この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、吸入剤等が挙げられる。]
[0025] 錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来よりよく知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイダルシリカ等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。]
[0026] 丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。]
[0027] 坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。]
[0028] カプセル剤は常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。]
[0029] 注射剤として調製される場合、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。]
[0030] 更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。]
[0031] 吸入剤は、常法に従って製造される。即ち、有効成分化合物を粉末又は液状にして、吸入噴射剤及び/又は担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。また有効成分化合物が粉末の場合は、通常の機械的粉末吸入器を、液状の場合はネブライザー等の吸入器をそれぞれ使用することもできる。ここで噴射剤としては、公知のものを広く使用でき、例えばフロン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フロン−114、フロン−123、フロン−142c、フロン−134a、フロン−227、フロン−C318、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等のフルオロカーボン類、プロパン、イソブタン、n−ブタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル等のエーテル類、窒素ガス、炭酸ガス等の圧縮ガス等を例示できる。]
[0032] 本発明の吸入剤には、更に必要に応じて従来より使用されている界面活性剤、油、調味料、シクロデキストリン又はその誘導体等を適宜配合することができる。ここで界面活性剤としては、例えばオレイン酸、レシチン、ジエチレングリコールジオレエート、テトラヒドロフルフリルオレエート、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、グリセリルトリオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリシノエート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチルピリジニウムクロリド、ソルビタントリオレエート(商品名:スパン85)、ソルビタンモノオレエート(商品名:スパン80)、ソルビタンモノラウエート(商品名:スパン120)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HCO−60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(商品名:ツィーン20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(商品名:ツィーン80)、天然資源由来のレシチン(商品名:エピクロン)、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル(商品名:ブリジ92)、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル(商品名:ブリジ72)、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル(商品名:ブリジ30)、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル(商品名:ゲナポル0−020)、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック共重合体(商品名:シンペロニック)等が挙げられる。油としては、例えばトウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、ヒマワリ油等が挙げられる。]
[0033] 本発明の有効成分化合物を液状化するに当たっては、例えば該化合物を液状担体に溶解すればよい。液状担体としては、例えば水、塩水、有機溶剤等が挙げられ、これらの中でも水が好ましい。また、溶解に当たり、分子量200〜5000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート等の界面活性剤、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を適宜添加することができる。]
[0034] 本発明の有効成分化合物を粉末化する場合は、常法に従って粉末化するのがよく、例えば乳糖、澱粉等と共に微粉末にし、均一な混合物になるように攪拌して粉末剤を調製するのがよい。]
[0035] 本発明の治療薬中に含有されるべき有効成分化合物の量としては、特に限定されず広範囲から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70重量%とするのがよい。]
[0036] 本発明の治療薬の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には、経口投与される。また注射剤の場合には単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。吸入剤の場合には口腔内に吸入して投与される。]
[0037] 本発明の治療薬の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分化合物の量が、1日当り体重1kg当り、約0.2〜200mg程度とするのがよい。]
発明の効果

[0038] 本発明によれば、MMP−2及び/又はMMP−9に起因する疾患の治療に有用な、安全性の高い薬剤が提供される。]
[0039] 本発明のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤は、MMP−2及び/又はMMP−9に対して選択的に阻害する。より具体的には、MMP−2及び/又はMMP−9の発現を阻害する。本発明のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤の有効な適応症としては、例えば、関節リウマチ、関節炎、関節症、骨疾患、骨粗鬆症、骨損傷、変形性関節症、骨代謝異常疾患等のRA及び骨の疾患;クローン病、眼炎症、炎症性腸疾患、過敏症、過敏性腸症候群、細菌感染、歯周病、耳炎、潰瘍、潰瘍性大腸炎、粘膜炎、肺炎、腹腔炎症、膀胱炎等の炎症;リンパ腫、胃腫瘍、癌性胸水、癌性腹水、固形癌、黒色腫、骨転移、消化管腫瘍、食道癌、神経膠腫、腎細胞癌、星状細胞腫、前立腺腫瘍、多発性骨髄腫、転移、頭頚部腫瘍、肉腫、乳癌、脳腫瘍、肺腫瘍、非小細胞肺癌、目の腫瘍、卵巣腫瘍、膠芽腫、膵腫瘍等の癌疾患;II型糖尿病、インシュリン非依存性糖尿病、高リン酸血症、骨髄異形成症候群、糖尿病、白血病等の血液・内分泌疾患;うっ血性心不全、高血圧、粥状硬化症、急性冠状動脈症候群、血管新生疾患、再狭窄、心筋梗塞、心臓血管疾患、心臓病、心不全、大動脈瘤、糖尿病性腎症、脳血管虚血、脳梗塞等の心・血管疾患;加齢黄斑変性症、角膜損傷、角膜潰瘍、眼科領域感染症、眼乾燥感、眼疾患、神経学的疾患、神経変性の疾病、多発性硬化症、糖尿病性網膜症、網膜黄斑変性、翼状片、涙腺病等の眼・神経疾患;HIV感染症、クロストリジウムボツリナム伝染病、経口感染、バクテリアの呼吸器感染症、熱帯熱マラリア原虫感染、破傷風菌伝染病、敗血症、敗血症性ショック等の感染症;喘息、呼吸器系統疾患、肺気腫等の呼吸器疾患;アトピー性皮膚炎、カポジ肉腫、乾癬、座瘡、酒さ、皮膚火傷、皮膚病、瘢痕組織、慢性皮膚潰瘍等の皮膚疾患;その他の疾患、具体的にはアルツハイマー病、タンパク尿、てんかん、移植片対宿主病、化学療法誘発損傷、腎臓病、線維症、創傷治癒、糖尿病性合併症、毒中毒、内毒素性ショック、脳損傷、肺損傷、貧血、疼痛等が挙げられる。]
[0040] 本発明のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤は、特に、肺線維症、肺気腫に対して極めて高い治療効果を発現する。]
実施例

[0041] 以下に製剤例及び試験例を掲げる。以下において、「化合物A」とあるのは、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸を意味する。]
[0042] 製剤例1
化合物A 150g
アビセル(商標名、旭化成社製) 40g
コーンスターチ30g
ステアリン酸マグネシウム2g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース10g
ポリエチレングリコール−6000 3g
ヒマシ油40g
エタノール40g
化合物A、アビセル、コーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mmのキネで打錠した。得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ油及びエタノールを含むフィルムコーティング剤で被覆を行い、フィルムコーティング錠を製造した。]
[0043] 製剤例2
化合物A 150 g
クエン酸1.0g
ラクトース33.5g
リン酸二カルシウム70.0g
プルロニックF−68 30.0g
ラウリル硫酸ナトリウム15.0g
ポリビニルピロリドン15.0g
ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g
ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g
コーンスターチ30.0g
乾燥ステアリン酸ナトリウム3.0g
乾燥ステアリン酸マグネシウム3.0g
エタノール適量
化合物A、クエン酸、ラクトース、リン酸二カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸ナトリウムを混合した。]
[0044] 上記混合物をNo.60スクリーンでふるい、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500及び同6000を含むアルコール製溶液で湿式粒状化した。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト状塊にした。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形成されるまで混合を続けた。混合物をNo.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオープンで12〜14時間乾燥した。乾燥粒子をNo.16スクリーンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び乾燥ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で所望の形状に圧縮した。]
[0045] 上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散布し、湿気の吸収を防止した。芯部の周囲に下塗り層を被覆した。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行った。錠剤を完全に丸く且つ平滑にするために更に下塗り層及び平滑被覆を施した。所望の色合が得られるまで着色被覆を行った。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一な光沢の錠剤にした。]
[0046] 製剤例3
化合物A 5 g
ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3g
塩化ナトリウム0.9g
ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート0.4g
メタ重亜硫酸ナトリウム0.1g
メチル−パラベン0.18g
プロピル−パラベン 0.02g
注射用蒸留水10.0ml
上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを撹拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に溶解させた。得られた溶液を40℃まで冷却し、化合物A、次いでポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、上記溶液中に溶解させた。次にその溶液に注射用蒸留水を加えて最終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製した。]
[0047] 試験例(エラスターゼ肺傷害ウサギモデル)
試験方法:
ウサギを3群に分け(n=10匹/群)、Vehicle群及び化合物A群には200U/kgのブタ膵臓由来エラスターゼ(porcine pancreatic elastase:PPE)を経気管的に動物の肺内に投与した。Sham群の動物には、PPEの代りに同じ容量の生理食塩水を経気管的に動物の肺内に投与した。PPE投与28日後にウサギを解剖した。各ウサギの肺組織をホルマリンで固定した後に病理組織標本を作製した。Vehicle(0.5% Tragacanth)或いは化合物A(10mg/kg)はPPEの投与2時間前にVehicle群及び化合物A群のウサギに強制経口投与を行い、翌日より1日1回、週5日間、実験終了までVehicle又は化合物Aの経口投与を続けた。]
[0048] 病理組織標本はMMP−2或いはMMP−9に対する抗体を用いた免疫組織染色を行い、顕微鏡下でMMP−2及びMMP−9の発現の程度をスコアで評価し、気道上皮下の線維化の程度を観察した。又、肺胞の破壊の程度を観察した。]
[0049] 試験結果:
各群の動物の肺のMMPの発現を表1に示す。Vehicle群のMMP−2及びMMP−9の発現スコアはSham群のそれぞれの発現スコアに比較して有意に高値(いずれもp<0.01)を示し、またVehicle群の肺で気道上皮下に肥厚が観察され線維化像が存在することを確認した。一方、化合物A群におけるMMP−2およびMMP−9の発現スコアはVehicle群と比較して有意に低値(MMP−2:p<0.05、MMP−9:p<0.01)を示し、また気道上皮下の線維化による肥厚も軽減されていた。又、肺胞の破壊も有意に抑制されていた。肺胞腔拡張の抑制をまとめた結果を表2に示す。以上の結果より、化合物AはMMP−2およびMMP−9の発現を有意に抑制することが判明した。]
[0050] ]
[0051] Sham群とVehicle群との間、及びVehicle群と化合物A群との間の比較は多重比較検定により行った。なお、表1において、**:p<0.01 vs.Sham群、#:p<0.05 vs.Vehicle群、##:p<0.01 vs.Vehicle群を表す。]
[0052] ]
[0053] Sham群とVehicle群との間,及びVehicle群と化合物A群との間の比較は多重比較検定により行った。なお、表2において、**:p<0.01 vs.Sham群、##:p<0.01 vs.Vehicle群を表す。]
[0054] 線維化とMMPの発現の関連についての考察
種々の組織における線維化は重篤で予後不良の疾患である。その主な病理像は、内皮細胞と上皮細胞の損傷、好中球、マクロファージ及びリンパ球の浸潤からなる炎症、線維芽細胞の増殖、そしてコラーゲンなどの細胞外マトリックス(ECM:extracellular matrix)成分の過剰な合成と沈積からなる。特にECMの過剰な合成と沈積には、これを選択的に分解する酵素であるMMPと、その活性を制御する生体内物質であるTIMP(tissue inhibitor of metalloproteiase)のバランスの乱れが関与していると考えられているが、その機序の詳細は不明である。その一方で、肺線維症の患者の肺組織や肺胞洗浄液においてMMP(特にMMP−2やMMP−9)の発現レベルが上昇していること、また肺線維症を惹起した病態モデルでも患者における知見と同様の結果が得られており、肺組織又は肺胞洗浄液中でMMP活性が上昇していることが報告されている。更にbleomycinやasbestosで惹起した肺線維症の病態モデルにbatimastatやGM6001などのMMP阻害剤を投与することで肺胞洗浄液中のMMP活性と共に浸潤白血球数の上昇を抑制し、病理組織学的にも生化学的にも肺線維症が抑制されることが示されている。これらの結果から、組織におけるMMP発現量の上昇又は活性化が当該組織における線維症を惹起し、そのMMP活性を抑制することで線維化が抑制されたと考えられる。]
[0055] 以上より、MMPの発現を抑制する化合物は、組織線維化を抑制すると考えられる。そのため、化合物Aが肺組織におけるMMP−2及び−9の発現を抑制し、気道上皮下の線維化及び肺胞破壊を抑制することを示す上記試験結果から、本発明の一般式(1)で表される化合物又はその塩が線維症治療薬、特に肺線維症治療薬として、及び/又は肺気腫治療薬として極めて有効であることが明らかである。]
权利要求:

請求項1
一般式(1)[式中、R1は、フェニル環上に置換基として低級アルコキシ基を1〜3個有することのあるフェニル基を示す。R2は、ピリジン環上に置換基としてカルボキシル基をl〜3個有することのあるピリジル基を示す。]で表されるチアゾール誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有する、MMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
請求項2
チアゾール誘導体が、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸又はその塩である請求項1に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
請求項3
線維症の治療に用いられる請求項1又は請求項2に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
請求項4
肺気腫の治療に用いられる請求項1又は請求項2に記載のMMP−2及び/又はMMP−9阻害剤。
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